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- 成功には構造がある
- その構造はオントロジーで記述できる
- 時系列データを通じて、成功因子を推定できる
- それは再利用可能な知識になる
これらを元に解釈学的決定論による問題点の指摘がなされる点を反証したい。
1.解釈学的非決定論とは何を言っているのか
解釈学(Hermeneutics)側の非決定論は、乱暴に言うとこういう立場だ。
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- 世界は「事実」ではなく「意味」として現れる
- 意味は常に解釈される
- 解釈は主体・文脈・時間によって変わる
- よって、同じ条件から同じ結果が出るとは限らない
重要なのは以下である。
非決定論 =「因果がない」ではない
非決定論 =「意味と結果が一意に定まらない」
2.なぜ自身の構想と決定論が理論上衝突するのか
私はこう考えている(正確に言うと、そう“読まれる”):
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- 成功には構造がある
- その構造はオントロジーで記述できる
- 時系列データを通じて、成功因子を推定できる
- それは再利用可能な知識になる
これを解釈学側が見ると:
「成功という“意味づけ”を、あらかじめ構造として固定していないか?」
という疑念が生まれる。
3.「折り合いをつける」とは何をすることか
ここでいう折り合いとは妥協ではない。
次の2点を同時に認めることだ。
✓ 成功は解釈の産物であり、事後的に意味づけられる
✓ それでも、経営では構造仮説なしに意思決定できない
つまり:
「構造は仮のものであり、意味の変化に常に晒される」
という前提を、理論の中に埋め込めるか?
これが核心。
4.折り合いをつけるための最重要ポイント(1つ)
「構造を真理として扱わない」
このモデルが決定論だと言われる最大の理由は、
成功構造が「真の構造」として存在するように見えてしまうこと
折り合いをつけるには、こう位置づけ直す。
オントロジーは
世界を説明する“唯一の正解”ではなく、
意思決定のための一時的な解釈装置である
5.学術的に通る言い換え(超重要)
決定論を唱える反論に対して真正面から噛み合う表現は以下を想定する。
「私たちは
成功の“因果構造そのもの”を同定しているのではない。
特定の文脈において、
成功だと解釈された事象を、
どのような構造で説明すると最も意思決定に資するか
をモデル化している。」
これで:
決定論 → ×
解釈された世界に対する操作的構造化 → 〇
になる。
6.ベイズ × 解釈学の折り合いポイント
ベイズはこう再定義できる。
× 真の成功確率を推定している
〇 解釈仮説の妥当性を、データで相対比較している
つまり:
事前分布 = 経営者・組織が持っている解釈枠組み
事後分布 = その解釈枠組みが、実務データにどれだけ耐えたか
▶ 解釈が更新されているのであって、
▶ 世界が確定しているわけではない。
7.時系列を入れる意味の再定義
解釈学的に重要なのはここ。
時系列 = 因果の確定 ではない。
時系列 = 意味がどのように安定し、あるいは崩れていったかの履歴
成功因子とは:
× 常に効く要因
〇 ある期間・ある解釈のもとで成功として語られ続けた要因
8.折り合いがついた状態を一文で言うと
**成功因子とは、
客観的に存在する原因ではなく、
組織が一定期間“成功だと解釈し続けられた構造仮説”である。
我々はそれをデータによって検証・更新しているにすぎない。**
この一文が言えれば、
「それは決定論だ」という指摘はかなり無力化できる。
それを踏まえての結論としては、
成功因子仮説形成モデルでやろうとしているのは、
× 純粋な決定論
× 純粋な解釈主義
ではなく、
「解釈学を前提にした設計科学」
であるという事が言える。